「正解を探す」から、「可能性を探す」へ~参加校導入研修を実施しました~

2026 年度のシヅクリ PROJECT が、各学校での実施に向けて少しずつ動き始めています。

シヅクリ PROJECT では、プログラムを導入する学校において、対象学年の先生方を対象とした導入研修を実施しています。今年度は、6 月 2 日(火)に静岡県立裾野高等学校、6 月 8 日(月)に富士市立富士南中学校で導入研修を行い、それぞれ 10 名ほどの先生方にご参加いただきました。

目次

まず先生自身が「探究するとはどういうことか」を体感する

この導入研修は、単に授業の進め方や教材の使い方を確認する時間ではありません。
シヅクリ PROJECT が大切にしている探究の考え方を先生方と共有し、先生方ご自身にも生徒と同じように探究を体験していただくことを大切にしています。
なぜなら、生徒たちの探究を支えるためには、まず先生自身が「探究するとはどういうことか」を体感することが、とても大切だと考えているからです。

「可能性発見型の探究」

シヅクリ PROJECT で大切にしているのは、「正解を探す」ことではなく、「まだ見えていない可能性を探す」ことです。
地域をより良くするための新しいアイデアを考える。
そのために、今あるものを見つめ直し、そこに眠っている価値を発見し、別のものと組み合わせながら、新しい意味や可能性を生み出していく。
シヅクリ PROJECT では、このような探究を「可能性発見型の探究」として大切にしています。

研修の前半では、まずプログラム全体の世界観を共有しました。
生徒たちは、学校、企業、地域と出会いながら、「今あるもの」を違う視点で見つめ直していきます。
学校にあるもの、企業が持っているリソース、地域に眠っている価値。
それらを一つひとつ見つけ、組み合わせ、地域をより良くするイノベーションプランへと形にしていきます。

この過程で育てたいのは、単にアイデアを出す力だけではありません。
見慣れたものを違う視点で見る力。
眠っている価値に気づく力。
「もっと面白くできるかもしれない」と考える力。
そして、自分たちにも未来をつくることができるという実感です。

研修では、先生方にも生徒役としてワークに取り組んでいただきました。
身近な学校の中にあるものをリソースとして見つめ直し、その使い道や価値、さらに別の可能性を考えていきます。
普段当たり前のように見ている教室、机、廊下、掲示物、校庭。
そうしたものも、視点を変えることで新しい価値を持つリソースとして見えてきます。

対話が動き出す

グループで対話を重ねる中で、一人では思いつかなかったアイデアが生まれたり、他の先生の一言から新しい発想が広がったりする場面も見られました。
研修後、先生方からはさまざまな気づきの言葉が寄せられました。
「正解を求めない」
「可能性」
「価値」
「楽しい」
「挑戦」
「一人では気づかないことが、人が集まることで見えてくる」
「話を聴くことで発想が広がる」
「かけ算で新しい価値が生まれる」
「簡単に思いつくことは、もうだれかがやっている」

これらの言葉からは、先生方自身が、探究の中にある自由さや面白さ、そして難しさを感じ取ってくだ
さったことが伝わってきます。
特に印象的だったのは、「正解を求めない」という言葉です。
学校の学びの中では、どうしても正しい答えを出すことが重視されがちです。
しかし、地域や社会の未来を考える探究には、あらかじめ決まった正解はありません。
むしろ大切なのは、「何が正しいか」だけではなく、「どんな可能性があるか」を仲間と一緒に考え続けることです。

その過程では、迷うこともあります。
考えがまとまらない時間もあります。
アイデアが広がりすぎて混沌とすることもあります。
けれど、シヅクリ PROJECT では、その混沌も大切な学びの時間だと捉えています。
生徒たちは一直線に答えへ向かうのではなく、共有し、広げ、迷い、揺れ、意味を見出しながら、自分たちなりの考えを形にしていきます。

そのような探究の時間を、先生がどのように支えるのか。
導入研修では、授業の進行方法だけでなく、生徒たちの可能性を引き出すための「伴奏」のあり方についても考えました。
先生がすぐに答えを示すのではなく、生徒の言葉に耳を傾ける。
まだ形になっていないアイデアを受け止める。
問いを投げかけ、考えを広げるきっかけをつくる。
生徒たちが自分たちの力で意味を見出していくプロセスに寄り添う。
それは、教えるだけではなく、共に探究する姿勢でもあります。

生徒を軸に、学校・企業・地域の皆さまと共に可能性を探す旅が始まる

シヅクリ PROJECT は、学校だけで完結する学びではありません。
地域企業の皆さま、学校の先生方、そして生徒たちが出会い、それぞれの視点を重ねながら、地域の可能性を探っていくプロジェクトです。
企業との出会いを通して、生徒たちは普段は見えにくい仕事の奥行きや、地域を支える大人たちの思いに触れていきます。

地域との出会い直しを通して、自分たちのまちに眠っている価値を見つけていきます。
そして、その学びはやがて、自分自身の未来や可能性を考えることにつながっていきます。

今回の導入研修は、その最初の一歩です。
まず先生方自身が、可能性発見型の探究を体験すること。
先生方自身が、「見方が変わると、可能性が変わる」という感覚を味わうこと。
その体験が、これから生徒たちの探究を支える土台になっていきます。

富士市立富士南中学校、静岡県立裾野高等学校の先生方と共に、今年度のシヅクリ PROJECT がいよいよ始まります。
生徒たちが、企業や地域との出会いを通して、どのような価値を発見し、どのような未来を描いていくのか。
そして、その探究の時間が、生徒たち一人ひとりにとって、自分自身の可能性と出会う時間になっていくことを願っています。

今年度も、学校・企業・地域の皆さまと共に、まだ見えていない可能性を探す旅を進めていきます。

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