椅子のサークルの中心に小さめの机が置かれ、その上に奇妙な立ち方をしている作品が並んでいました。
教室に入ってきた生徒たちは、「これ何?」「どんな金属?」「密度、密度、密度どのくらい?」と興味深くまだらまんじさんの作品をのぞき込んでいました。
まだらまんじさんを囲んで「エンジン」課外授業がスタート
「手に持ってみていいよ」
みんなが代わる代わる手に取って重さを確かめたり、触り心地を確かめたり、近づいてじぃっと見たり、遠くから眺めてみたり・・・。
まだらまんじさんは金属彫刻作家で、製作した金属彫刻は「エンジン」のテキストの表紙デザインにもなっています。
自分たちがエンジンの学習で企画しているイノベーションのアイデアをまんじさんに紹介する、そんな場面から「エンジン」課外授業がスタートしました。
ぜひまんじさんに企画を発表したい!とあるチームの代表の生徒が発言。
まんじさん「現状、だれが一番このアイデアについて詳しいと思う?」
生徒「自分たち・・・」
まんじさん「そう君の方が知っている!詳しい!だからそのままやれば絶対にいい!自信を持ってやろう!」
まんじさんの言葉に背中を押され、納得して、顔つきまで一瞬で変わっていきました。
ポリッシングパッドを使った企画を発表すると、「すごいねー。その興味とか発想はどこからくるの?」と、まんじさんも生徒たちの発想力、想像力、興味を追究する力には驚いていました。
生きていて必要なものはふたつ
テーマである「生まれながらの可能性」
まんじさん曰く、「自分が思うのが、生きていて必要なものはふたつあるということ。
そのひとつめが「理由」、そしてふたつめが「思考」。
何をやるにも、「理由」があれば、できる。
そして「ものを考える」ということ。
子どもの時に野生動物の番組をよく見ていた。人間が野生動物と違うところを考えたら、「思考する」という行為ができること。
「だからこそ、人間らしいことをしたいと思った。それが芸術家、アーティストを目指した理由です。」
最初は、今まで出会ったことのない人・・と、少し戸惑いも感じていたような生徒たちもあっという間に、まんじさんの話に引き込まれていました。
尽きることのない質問が生徒たちの内側からわき続ける
それからもまんじさんに対する生徒たちの興味はつきることなく、次から次へと質問がでました。
最後は
「子どもの時に常識のない世界から自分の世界をどうつくり上げてきたのか、お話が聴けて良かった。」
「理由」と「思考」に納得して自分で常に100%の力で「何でだろうー。」と考え続けることが大事だと分かった。」
「自分と違う人も認めて、自分と違う考えの人もいるということに気付かせてくれた。」
といった感動している生徒たちの生の声を聴くことができました。
授業が終了してからも、生徒たちの熱い熱い人生相談にまで発展した課外授業は、列にまでなり、それから長い時間続いていました。
真正面から生徒たちと向き合って、純粋で、魂の入った言葉でいろんなことを語ってくれたまんじさんにたくさんの刺激を受けた貴重な時間となりました。