地域企業とつながる探究のはじまり〜 シヅクリプロジェクト|静岡翔洋高校での第1回訪問授業レポート 〜

2025年7月9日(水)、静岡市の東海大学付属静岡翔洋高等学校にて、今年度のシヅクリPROJECTにおける企業訪問授業の第1回目が行われました。
この日、地域で活躍する参画企業6社から、企業人25名が学校を訪問。生徒たちと直接対話を交わしながら、企業への理解と「問い」を育てる探究の一歩を共に踏み出しました。
*今回参加いただいた6社は、青島文化教材社、SIC、静岡市消防局、鈴与建設、大輝、TOKAI。

目次

「知ること」と「問いをもつこと」が学びのスタート

この授業は、2コマ連続の構成で実施されました。前時に行った「企業調べ」の成果を踏まえ、実際に企業の方々から話を聞き、対話を重ねながら、より深い探究へとつなげていきます。

1時間目:企業を「知る」・「興味関心をもつ」

1時間目では、各企業の方からプレゼンテーションをしていただくとともに、事前に撮影した「潜入動画」を視聴。企業が手がける事業内容や技術、社会に果たしている役割、働く人々の想いなどを多角的に知る機会となりました。

特徴的なのは、ただ話を聞くだけで終わらず、学生たちはインタビューワークを通して、「気になったこと」や「もっと深掘りしたいこと」を自分の言葉で企業の方に問いかけていきました。

「この商品・サービスには、どんな工夫が詰まっているのか?」
「イノベーションを起こすためには、どんな考え方や手法をとっているのか?」
そんな素直で鋭い問いかけに、企業の方々も真剣に、そして丁寧に答えてくださいました。

2時間目:企業の「リソース」を探究する

2時間目では、学生たちが企業から提示された「探究テーマ」を話し合うことから企業が自分事化していき、企業の「リソース」に着目して話し合っていきました。

リソースとは、企業の強みや資源、人材、技術、環境など、可能性の源泉となるもの。生徒たちはグループごとに、企業のプレゼンや対話で得た情報をヒントにしながら、「この企業には、どんなリソースがあるのだろう?」と、付箋を使ってアイデアを出し合いました。

企業の方々も学生のチームを回りながら、一人ひとりの発言に耳を傾け、考えを引き出す対話に寄り添ってくださいました。

中には、はじめはなかなか言葉が出てこなかった生徒も、企業人の何気ない一言をきっかけに、目を輝かせて付箋を次々に貼っていく姿もありました。
「そうか、それもリソースって言えるのか!」
「それを使って、こういう未来も考えられるかも!」
そんな“気づきの連鎖”が教室のあちこちで生まれていたのが印象的でした。

参加企業の皆様の声(抜粋)

「会話の中で『そうか!』とアイデアが浮かんだ瞬間を見ることができた」

「リソースを探すところでは悩んでいたが、具体的な案が浮かぶとワクワクしていた」

「序盤あまり入り込めていない生徒に話しかけて興味を探っていくと、活発な意見が出てきた」

「『実現性のないものでも考えてみよう』と伝えたら、付箋が一気に増えた」

「休み時間に生徒から“キャンプネーム”で呼ばれて、距離が縮まった気がした」

「もっと自分から話しかけに行くべきだったと反省。次回に活かしたい」

教室の外とつながる、学びの扉が開いた

本授業を通して、生徒たちは「企業を知る」「問いをもつ」「対話する」そして「可能性を考える」という、一連の探究のプロセスを体験しました。
教室の外に広がる“リアルな社会”と出会い、その中にある価値やリソースに目を向けることは、単なるキャリア教育にとどまらず、学生たち自身の視野や思考をぐっと広げてくれるものです。

今後、学生たちは抱いた問いをもとに、さらに深い探究を重ねていきます。その出発点となるこの1日が、彼らの中にどんな種をまいたのかーこれからの展開が楽しみでなりません。

ご参加いただいた企業の皆様、貴重な時間とまなざしを本当にありがとうございました。

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