今日は、浜松市立可美中学校で企業が訪問するステップ5の授業が行われました。
訪問企業は、エンケイ、中部電力パワーグリッド、浜松磐田信用金庫、ヤマハ発動機の4社です。
企業と学生が初めて出会う場
教室に向かうと、「engine」の文字が目に飛び込んできました。
各教室の廊下掲示には、これまで学んできた「リソース」の考え方、発想の仕方などの跡が遺されていました。
先生方と学生たちが一緒になってこのプログラムの学びをつくり上げてきていることを実感しました。
授業が始まりましたが、今日は、企業と学生が初めて出会う場になるため、授業の冒頭互いに自己紹介が行われました。
可美中学校は、企業の方と出会う機会を大切にしたいという想いから、今日までにチーム紹介の練習も積んできたといいます。
自己紹介の勢いが場の雰囲気を変え、心の距離をグッと縮める
学生たちの自己紹介を見た企業の方からも「今後の生徒たちの提案に大いに期待を持ちました!」などの声が聞かれました。
これまでも多くの学校の自己紹介シーンを見てきましたが、学生が意欲的(声の張り、決めポーズなど創意工夫)にチーム紹介をした学校は、最終発表会も「おっ!」と思わせるような提案内容が多い傾向にあります。
これは、「関係の質が思考の質に関係する」(参照:成功の循環モデル)と言われるように、自己紹介の勢いが場の雰囲気を変え、学生と企業の方々の心の距離をグッと縮めることに一躍買っているのだろうと感じています。
授業中盤のインタビューでは、学生からさまざまな角度で企業の方々に質問が投げかけられました。
エンケイさんの会場ではこんな質問が出てきました。
「なぜ、エンケイって社名なんですか?」
確かに言われてみれば不思議です。聞いているこちらも「なぜ?」を知りたくなりました。
「みんな、この地域のことは何ていうか知ってますか?
この地域のことを、遠州地方と言います。私たちの会社は、遠州という土地で創業したこと、そしてアルミは軽合金なので、創業当時の会社の名前は、遠州軽合金だったのです。
そこから、エンケイと名乗るようになりました。」
すかさず答えるエンケイの寺田さんの説明に驚くとともに、「エンケイ愛」を感じる一幕でした。
リソースの本質に向き合う
授業後半は、グループごとにリソース出しが始まりました。
アルミの特性である「熱を伝えやすい」ことに目をつけたチームは、
「アルミのスプーンを作ったら、手の熱が伝わってアイスが溶けやすくなるんじゃないの?」と、面白い会話が始まりました。
「すごいことに気づいたね。確か、すでに製品になっているんじゃなかったかな。でも、そんなふうにアイデアを出していくといいね」と、企業の方からはアイデアの妙に太鼓判を押してもらいました。
「アルミの別の特性にも目を向けてみようよ」と、さらに発想を飛ばそうとする学生に、彼らの着想の良さや柔軟さが際立つ場面でした。
探究を続ける思考の体力
学生にとって企業のことは不慣れで、普段あまり接したことがない世界なので、なかなかスッとは理解ができないのも当たり前です。
ところが、可美中学校の学生は、担当する企業のコンテンツに対する好奇心や興味・関心が高く、仲間と知恵を絞りながら一生懸命探究をしていました。
「思考の体力があるなあ」見ていてそんなことも感じました。
生徒の表情から知りえる学びの深さ
授業後に行う企業の方々と先生方のリフレクションでは、授業を見学されていた北村校長は学生たちの表情から学びの深さを読み取った発言をされました。
「今日の授業は、(企業からもらう情報を)インプットからインテイク(思考)になっていくプロセスだと思います。
インテイクになることがとても大事なのですが、これがなかなか難しいのです。
インテイクになると、人は真顔になります。
今日は生徒たちにその真顔の表情が見えました。
素晴らしい学びをしていると、嬉しくなりました。
今後のアウトプットがとても楽しみになりました。」
可美中学校の授業から、学生、教員、企業の方々の学びのコラボレーションを感じることができました。
きっと学生ならではの企画が今度創出されるのだろう、そしてたくさんのことに気づき、発見し、未来をつくる自信をつけてくれるのだろうと、大いに期待が膨らみました。
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